第1章:ボイストレーニングと声質
声ってどうやって出てる?

声というのは具体的に言うと、空気を吸って肺から息を出し、それを声帯にあてて音を作り、それが口腔・鼻腔・咽頭・口頭などに響いて増幅され声になり、さらに唇・歯・舌などを使って言葉になり、歌声が作られます。それぞれの順番を一言で表すと、「呼気→原音→共鳴→調音」となります。その一つ一つのコントロールの仕方が分かると、自分の声や歌がとても自由になります。
声質は変えられる?
「自分の声を良くしたい」、「声質って変わるものなの?」と思う方も多いかと思います。例えば、『ものまね』をされる芸人の方などは、「一人の同じ人間からこれほど違う声が作られるのか!」と驚くほど色々な声を使い分けますよね。これがその答えです。コントロールの仕方が分かれば声は変えられます。ただし、声質というのは自分の意思で変えられない部分と変えられる部分があります。生まれ持った声帯の形や長さ、骨格や体の内部の構造などは変えられません。でも、その声帯で作る音色(声帯を通る息の量、声門の閉じ具合等)や、共鳴腔への響かせ方による音色は自分でコントロールすることが出来ます。それが出来るようになってくると、自分の声を自分の思い描く声に近づけていくことも不可能ではありません。